“安静”とは?

2018.12.16“読む”レッスン オフィシャルブログ

健康サポートスタジオのインストラクターは、スタジオでのレッスンの他、自治体や地域の施設から講師の依頼を受けてさまざまな要望に応じた運動指導もしています。

 

高齢者も多く、痛みや病気を抱えている方も少なくありません。
今日はその中でも、最も平均年齢が高いであろう体操教室の方が、実際に経験したことから、病院や自宅で安静にしているときのセルフケアについて書いてみます。

 

ある方が手術をしなければならず入院した時のこと、手術前後は一滴も水を飲めず、脱脂綿で湿らすことさえ許されず、口の中がカラカラになって、とても苦しかったそうです。
そこで、教室で習った唾液を出すマッサージ舌を動かす体操を一生懸命やって、自分の唾液で喉を潤したそうです。
手術後はしばらくベッドに寝たままだったけれど、ベッドの上で足の指や膝の曲げ伸ばしなどはやっていて、元気に復帰されました。

 

他にも、検査や手術などで何週間か入院しなければならず、このままでは歩けなくなぅてしまうと思い、毎日病院中を歩き回っていたという方がお二人。
お二方ともひと月以上お休みされていましたが、体力を落とすことなく教室に復帰されました。
なんと80代後半と90代の方です。

 

そういえば数年前亡くなった私の踊りの師匠は、やはり大病してずいぶん長く病院のベッドで過ごさなければならなかったとき、ベッドの上でグランバットマン(脚を高く振り上げる動き)をしたり、曲げたり伸ばしたりバタバタ動いて看護師さんにビックリされたそうです。
まあ、踊りの先生はさすがにやり過ぎだったかもしれませんが、そのお陰のせいか、退院後、激痩せしながらも舞台に立っています。

 

皆さんは、「安静にしましょう」と言われたらどうしますか?
布団に入ってじっと寝ていますか?

 

この“安静”という言葉は、なかなか誤解と過剰反応の多い言葉です。

 

まず、安静にしなければならない理由を考えてみてください。
もし、骨折などの怪我であったら、処置してもらった後は、患部は安静ですが、他の部分は動かしても支障ないことが多いです。止血できていないときは別ですが、例えば脚の骨折なら上半身は動けるでしょう。

 

もし、お腹の手術をしたとしましょう。しばらく下半身は動かせないかもしれません。でも手指や首、顔などは動かせるでしょう。
病院からもう歩いてよいと言われたら、激しい運動でなければ多くのことができます。

 

もちろん医療機関の指示を仰ぐ必要はありますが、何がどういう理由でやってはいけないのか、理解することは大切です。

 

手術後の出血を抑えたり、循環器などの問題で血圧の変動が影響するような場合は、全身安静が必要かもしれません。

 

安静と言っても、もしかしたら、腕のストレッチくらいはできるかもしれません。顔のマッサージはよいかもしれません。
足指の体操は全然問題ないかもしれません。
むしろ動いた方がよいこともたくさんあります。

 

いざという時に、どんな状況でも、自分で自分のケアができるということは、あなたの強みになります。
健康サポートスタジオでは、そうしたセルフケアで何ができるか、レッスンをどう活かせるか、というお話もさせていただいています。

 

もし、忘れてしまった時は、遠慮なく講師に連絡してみましょう。

 

 

 

(内山尚子)