元気を育てるレッスン
気功的ヨーガでは、動きに合わせた呼吸や、呼吸法を取り入れています。
レッスンでは、最初に必ず行う足ほぐしの時間があります。
これは、末端を意識することで、隅々まで血液を巡らそうという取り組みです。
足ほぐしをするだけで身体は柔軟になり、怪我を防ぐことができます。
講師はこの時間、時には談笑をしながら、皆様の心身の状態を観察し、呼吸の深さを観察しています。
今年は大変暑いので、呼吸が浅い、息苦しい感覚のある方が増えています。
酷暑によるストレス、クーラーによる寒暖差のストレスが大きいと思います。
今日は、前回に引き続き、呼吸についてお話をしたいと思います。
【呼吸を深く快適に行うコツ】
①口すぼめ呼吸(シャボン玉呼吸)を行ってから鼻呼吸を行う。
②呼吸をつかさどる胸郭の可動域を上げるストレッチを行う。(上肢のストレッチ)
③下肢のストレッチとトレーニング
④リラックスする方法を見つける。
⑤姿勢を整える。
通常のレッスンでは、この①~⑤まで全てを行っています。
②③は、ポーズやマッサージの方法が沢山あります。
④は、シャバアーサナと言って、ポーズで緊張したあとに全身をリラックスさせる時間があります。また、意識で呼吸を整えながら動くことで、瞑想と同じように脳を休めることができます。
⑤は、レッスンを継続していただければ、どなたでも姿勢が整います。
姿勢を良くする意識は大切ですが、意識だけでは余計な緊張によって疲れてしまいます。姿勢を整えるための柔軟性及び、保持するための筋肉の強化が必須です。姿勢を改善したい方は、ぜひレッスンにお越しください。
ここでは、①の口すぼめ呼吸についてお話いたします。
呼吸器専門のリハビリのガイドラインでは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんへの呼吸訓練を提唱しており、この口すぼめ呼吸が有効とされています。※
【口すぼめ呼吸】
気功的ヨーガにも、風船呼吸やシャボン玉呼吸と言って、口をすぼめておこなう呼吸がありますので、練習してみましょう。
1)通常の鼻呼吸を観察する。
お腹(横隔膜)の動き、息苦しさ、呼気の長さなどを確認する。
2)口をすぼめて、ゆっくりと長く吐く。だんだんお腹が凹んでしっかりと吐ける。
3)吐ききったら少し止めて、苦しくならないうちにお腹を緩めて自然に息が入ってくるのを待ち、
気持ちの良いところまで吸う。吸うときは口を閉じて鼻で行う。
4)何度か凝り返す。
5)口すぼめ呼吸をしながら、腹式呼吸が深くなっていくのを観察する。
6)次に鼻呼吸に戻すと、最初より深くなり、息苦しさが無くなっているでしょう。
口すぼめ呼吸はずっと行う必要はなく、息苦しいと感じた時、呼吸が浅いと感じた時に補助的に使うと良いでしょう。また、小鼻の横のツボ「迎香(げいこう)」やその少し上にある「天迎香(てんげいこう)」を押して鼻の通りを良くすることも加えるとさらに有効です。
モーレツな暑さのなか、気持ちの良い呼吸は気分がすっきりします!!
ぜひお試しください!!
※参考文献:『呼吸リハビリテーションマニュアル』 日本呼吸管理学会呼吸リハビリテーションガイドライン作成委員会・日本呼吸器学会ガイドライン施行管理委員会・日本理学療法士協会呼吸リハビリテーションガイドライン作成委員会 編集、照林社